リーガルボイス-5ブラック企業に負けるな !

ブラック企業に負けるな !

「労働法の正しい知識」と「証拠保全」を

 不当解雇、非正規社員の雇い止め、残業代未払い、セクハラ・パワハラなど、労働や雇用に関することが社会問題となっています。「ブラック企業」という呼び名に続いて、昨今では「ブラックバイト」という呼び名も出てきています。景気の低迷が続き、会社経営が厳しくなったとはいえ、ブラック企業にヤラレる若者が増えています(中高年も)。
 では、ブラック企業やブラックバイトから自分を守るためには何が必要なのでしようか。ポイントは「労働法の正しい知識」と「証拠保全」です。難しい法律用語のように思われるかもしれませんが、けっして難しいことではありません。事例をあげて説明します。

うちの会社はサービス残業?

 「うちの会社では残業代は出ないって契約書にうたってあるでしょ?」「うちの会社は残業代込みで高い給与を払っている」と社長からいわれたという話。よくある話です。そこで黙っていては、ブラック企業に負けてしまいます。
 そもそも残業代を支払わない内容の契約は、法律違反です。また残業代込みの給与を支払うというのは、支給の方法について工夫をしないと、これも法律違反になります。
 労働者が、会社のことを愛してやまないために、積極的・自発的にやる、文字通りのサービス残業ならば問題はないかもしれませんが、残業代の出ないサービス残業が事実上強制されているとすれば、大問題です。

宣戦布告をする前に

 会社に対して未払の残業代を請求したいと思っても、「平均して2時間くらい残業していた気がするんだけど、証拠が…」ではダメです。
 労働時間の記録の証明については、たとえば、サービス業者ならタイムカード、運送業者のドライバーであればタコグラフ等が考えられます。しかし「未払残業代を請求します」と社長に宣戦布告をしたはいいものの、証拠が手元にない場合、太刀打ちできません。ひょっとしたら、すでに時遅しとなっているかもしれません。捨てられたり、改ざんされてしまっていたら、どうにもなりません。
 そこでひと言。宣戦布告をする前に、まず弁護士のところに相談に行ってください。弁護士は、守秘義務を負っているので相談者のことがまわりに知られることはありませんし、会社の社長に知られずに証拠を収集するノウハウを持っています。不当なやり方は正さなければなりませんし、金額の多寡を問わず、当然、未払金は取り返さなければなりません。相手を恐れず、勇気を持って、まずは弁護士にご相談ください。きっとあなたの味方になって、ブラック企業を負かしてくれます。